二、三日たって、今日いよいよなにかたいへんなことが
おこる日だという朝に、三郎丸と呼ばれる少年が三人、
王さまの前へ連れてこられました。
王さまは、この中のどの子が岩戸を開くのか、
ちょっとわかりかねましたから、三人ともひきつれて、
ぽんぽん山へ登ってお行きになりました。
そうして、夢で見たとおりの道をたどって、ついに
大きな岩戸の前においでになりました。
「この中で、この岩戸を開いたものは、わたしの
子にしてやる」
王さまは、三人にこういいわたしになりました。
しかし、誰ひとり、こんな大きな岩がどうして動かせる
ものかと、あきれていました。
そのとき、そのなかでいちばん小さい三郎丸は、
ふと思いだしたように、口の中で、 ーーーぽんぽんと
ぽんぽん山の腹鼓、宝の蔵はいまぞぽんぽんーーー
ともうしました。
すると、ふしぎや、岩戸は自然に、音もなく、左右に
パッと開きました。なかには、光かがやく宝が
いっぱい積んでありました。
めでたし、めでたし。
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