ぼたえもん童話集 『ぽんぽん山』⑩

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二、三日たって、今日いよいよなにかたいへんなことが

おこる日だという朝に、三郎丸と呼ばれる少年が三人、

王さまの前へ連れてこられました。


王さまは、この中のどの子が岩戸を開くのか、

ちょっとわかりかねましたから、三人ともひきつれて、

ぽんぽん山へ登ってお行きになりました。


そうして、夢で見たとおりの道をたどって、ついに

大きな岩戸の前においでになりました。


「この中で、この岩戸を開いたものは、わたしの

子にしてやる」


王さまは、三人にこういいわたしになりました。


しかし、誰ひとり、こんな大きな岩がどうして動かせる

ものかと、あきれていました。


そのとき、そのなかでいちばん小さい三郎丸は、

ふと思いだしたように、口の中で、 ーーーぽんぽんと

ぽんぽん山の腹鼓、宝の蔵はいまぞぽんぽんーーー

ともうしました。


すると、ふしぎや、岩戸は自然に、音もなく、左右に

パッと開きました。なかには、光かがやく宝が

いっぱい積んでありました。


めでたし、めでたし。




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このページは、出口眞人が2010年8月18日 14:27に書いたブログ記事です。

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