ある日のこと、三郎丸は、いつものように峠ののぼりぐちの
ところへ立って、通る人びとを待ちうけていました。
しかし、あいにく、その日にかぎって、朝からちっとも仕事が
なくて、もう日ぐれちかくなったのに、三郎丸の
ふところは、まだ一文のお金ももらっていませんでした。
「ああ、いやだなぁ、お父さんは昨日からご病気で
休んでいらっしゃるし、自分が一銭でもおおくもうけて
帰らねばならぬのに、このしまつとはなさけないなあ」
日ごろ、元気な三郎丸も、この時ばかりはぐんにゃりとし、
指をくわえてあたりを見まわしておりました。
ところへ立って、通る人びとを待ちうけていました。
しかし、あいにく、その日にかぎって、朝からちっとも仕事が
なくて、もう日ぐれちかくなったのに、三郎丸の
ふところは、まだ一文のお金ももらっていませんでした。
「ああ、いやだなぁ、お父さんは昨日からご病気で
休んでいらっしゃるし、自分が一銭でもおおくもうけて
帰らねばならぬのに、このしまつとはなさけないなあ」
日ごろ、元気な三郎丸も、この時ばかりはぐんにゃりとし、
指をくわえてあたりを見まわしておりました。
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