ぼたえもん童話集 『ぽんぽん山』③

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その時、むこうのほうからぼろぼろのつぎきれをまとった

一人のきたない乞食が、もうだいぶ年よりと見えて、

右手に竹杖をつきながら、苦しそうに坂道へさしかかって

まいりました。


この峠の坂道は、たいへん急なので、普通の人でも、

「おお しんど、 おお しんど」といっています。


いま、この坂へさしかかった腰のまがった乞食は、

なにも持っていなくても苦しいのに、背中には、

コモでまいた重い荷物を持っていましたので、

ひと足登っては竹にすがって休み、ふた足登っては

立ちどまって休むというふうでした。


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このページは、出口眞人が2010年8月18日 13:37に書いたブログ記事です。

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